見延典子が書いています。

一両編成の電車。乗客は観光客らしき女性と私の2人だけ。

がらんとした駅前にある観光案内板。そこに「頼山陽」の説明や「頼山陽詩碑」の写真やを見つけて、ややテンションがあがる(笑)

オレンジ鉄道「牛ノ浜」駅前に広がる海
オレンジ鉄道「牛ノ浜」駅前に広がる海

右の案内板の下方を拡大すると…

2018・10・25

鹿児島県阿久根市

「頼山陽公園の頼山陽詩碑」

 

熊本と鹿児島をまたいで走るオレンジ鉄道に揺られて「牛ノ浜」へ。

「阿久根」の次の駅が「牛ノ浜」

急に海が開ける。「牛ノ浜」も「米ノ津」と同じく無人駅である。

オレンジ鉄道「牛ノ浜」駅前
オレンジ鉄道「牛ノ浜」駅前

このような案内板に「日本政記」が出てくるとは。さすが薩摩である。

「薩摩街道」の標識
「薩摩街道」の標識

さらに進むと「頼山陽公園」の標識が見えてきた。

誰とも出会わないまま、てくてく歩く。やがて「薩摩街道」の標識。「米ノ津」から伸びている街道。間違いなく頼山陽も歩いた道である。

「阿久根県立自然公園、普通地域、牛之浜公園」の標識もあり、高台にようやく目指していた詩碑が。


かなり落剝しているが、次のように書いているようだ。文字の並びは原文のまま。「牛の浜」と書きこまれている。なるほど。

山陽詩碑建立の辞

詩聖山陽が西遊の途次薩摩路に入っ

たのは文政元年九月八日であった

偶〃阿久根の勝景に打たれ 当時の商

傑河南家に旅装を解き 長期滞在する

内当牛の浜沿岸を逍遥 其の雄大なる

自然の景観を賞してこの有名な詩を

賦したと傳へられる 爾来幾星霜今日

轉〃感慨大きを得ない この地を卜して

詩碑を建て懐古のよすがとする

昭和二十八年三月二十三日

 県立公園指定の日

  阿久根市長 松田進

これも「危礁」か
これも「危礁」か

裏というか、こちらが表なのだろう。山陽の漢詩が刻されている。

 

危礁乱立大

西南不見山

影低迷帆影没

天連水處是台湾

 

頼山陽公園から「台湾」を望む
頼山陽公園から「台湾」を望む

奇岩が波間に乱立し、南西を見ても山一つ見えない、低く飛んでいた鳥の影も白い帆影もいつしか消えた、天と水が連なるところが台湾だろう、というほどの意味だろうか。山陽が「台湾」を知っていたことも興味深い。

 

 

九州新幹線「出水」で下車、オレンジ鉄道で北に一駅「米ノ津」から、山陽と同じく、一人で「てくてく」

「薩摩街道」の面影のある道をてくてく。
「薩摩街道」の面影のある道をてくてく。

15分ほど歩き、インターネットで見た「野間の関」跡に到着。

「薩摩街道出水筋」をはさんで「江戸」と「薩摩」の標識。これを見て、米ノ津駅からだと、薩摩側から歩いてきたことに気づく。
「薩摩街道出水筋」をはさんで「江戸」と「薩摩」の標識。これを見て、米ノ津駅からだと、薩摩側から歩いてきたことに気づく。

 明治に入り、すべて取り壊され、残っているのは古井戸だけ。大正12年に惜しむ声があり、石碑が立てられた。揮毫は東郷八郎。木の枠で口型につくられた出入り口も後世、模して造られたのだろう。

2018・10・24

鹿児島出水市「野間の関」跡

 

2018年10月22日、文政元年(1818)9月、九州遊歴中の頼山陽が通過するのに難儀したという「野間の関」を訪ねる。

歩きはじめてほどなく、街道の雰囲気があることに気づく。かつて「薩摩街道」と呼ばれた道なのだ。車で来たら、気づかなかっただろう。

 乗らなかったけど、バス停もある。
 乗らなかったけど、バス停もある。

途中、親切なオバサンが道案内してくれる。こんな出会いも旅の楽しみ

   「野間の関」跡。見学無料。
   「野間の関」跡。見学無料。
 江戸時代の「野間の関」の様子。
 江戸時代の「野間の関」の様子。
石碑に「野間の関」東郷平八郎の筆による。
石碑に「野間の関」東郷平八郎の筆による。

周囲には温州みかんが実っている。

「歴史学者の頼山陽等が入国に苦労した」の記述も確認する。

西村緋祿史先生の挿絵。「頼山陽」から。
西村緋祿史先生の挿絵。「頼山陽」から。

小説『頼山陽』では西村緋祿史先生がその場面を描いてくださった。そういう意味でも訪ねたかった地。

別の角度から見た「野間の関」跡。
別の角度から見た「野間の関」跡。

近くにある有村雄助首実検の地(写真左)安政7年(1860)安政の大獄の実行犯薩摩藩士有村次左衛門の兄雄助は、挙兵を促すため薩摩藩に戻り、切腹を命じられる。身柄の引き渡しを求める幕府の役人はこの地で首実検を行った。

 


ホームページ編集人  見延典子
ホームページ編集人  見延典子

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 監督 東陽一

 原作 見延典子

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