「十旬花月帖」(頼杏坪著)全文を読みます。広島から京都への旅です。

石村良子代表が執筆しています。

2018・10・15

襄僑居 三本木

 如意岳の支峰 「大文字山」       襄僑居三本木正面
 如意岳の支峰 「大文字山」       襄僑居三本木正面

 

襄僑居 三本木

 

()三月上澣(さんがつじょうかん)(きょう)()りて侄襄僑(かてつのぼるきょう)(きょ)()宿(しゅく)す。(しゅく)三本木(さんぼんぎ)()近く(ちか)鴨川(かもがわ)望み(のぞみ)(みず)(へだ)てて東山(ひがしやま)諸勝(しょしょう)望む(のぞ)如意(にょい)(だけ①)(しょう)面す(めんす)(しこう)して比叡(ひえい)(また)(はなは)だしくは(とお)からず。(じょう)植える(うえる)(ところ)(よう)(りゅう)(すう)(しゅ)()()(かげ)()

 

一株(いっしゅ)絮多(じょおお)花卉(かき)亦尠(また)(すくなから)す。交錯(こうさく)して(おのおの)(ひら)く。(べつ)小亭(しょうてい)()(せつ)して(すいび)あり最も(もっと)(けい)()するに(よろ)し。客来(きゃくき)たれば(すなわち)(れん)()(らん)(もたれ)(しゅ)(ちゃ)談論(だんろん)(つね)娯楽(ごらく)(きわ)む。(しか)れども(しこうして)(おお)くは出遊(しゅつゆう)して(ぐう)()らず故に(ゆえ)()得る(うる)(おお)からず(いま)将に(まさに)辞し(じし)(かえ)らんとす。(いささ)()()るところを小詩(しょうし)数首(すうしゅ)録して(ろくして)()る。        杏坪

 

数樹(かずじゅ)垂楊(すいよう)草檐(そうえん)(おお)東山水(ひがしやまみず)(へだ)てて円尖(えんせん)(れつ)す。幽窓打(ゆうそうだ)(ちゃく)(かんぎん)()(がい)せず(りん)楼阿鵲(ろうあじゃく)(えん)】 

 

註:歌曲の名、塩は歌詞に付する語吟、行く、などの如きもの

 

愛す(あいす)(なんじ)従容(しょうよう)として我閒(わがかん)(ともな)(いから)(けん)入り()(ごう)(たん)()くを。晩来(ばんらい)(なん)狂風(きょうふう)()(まか)せ。(ちょく)青楼(せいろう)()かいて幾団(いくだん)(おく)る】

 

柳絮(りゅうじょ)を詠ず

 

紅銷紫歇(こうしょうしゅやみ)緑陰(りょくいん)()す。一種(いちしゅ)芳情(ほうじょう)(わが)(こころ)慰む(なぐさむ)看取(かんしゅ)東皇餘(とうこうよ)()()り。(しょう)(たまたま)(なげう)去る(さる)小円(しょうえん)(きん)】 棣棠(たいどう)()む  ヤマブキ

 

註 ① 家の正面の如意岳は 支峰(西峰)として標高465.4メートルの大文字山(だいもんじやま)がある

 

    三本木と三樹三郎

 

    転居したこの土地が気に入っていた模様

 

 

 

 

 

2018・10・9

鋭意、作成中

 

連載中の「十旬花月帖」の出版に向け、古文書研究会のOさんを中心に、鋭意、作成中です。

 中はこのような感じです
 中はこのような感じです

来年4月に予定している頼山陽ネットワーク10周年でお披露目できれば、と思っています。

 

 


2018・10・7

銀閣寺を訪ね知恩院を追録す

 

 銀閣寺月見台 ネットより
 銀閣寺月見台 ネットより

 

(けい)狗狂(く①きょう)(えん)各雄(かくゆう)を競う。蕉邊(しょうへん⓶)鹿(しか)(うしない)(ゆめ)(つい)(むな)し。銀光褪(ぎんこうとん)(つく)将軍(しょうぐん③)(かく)大樹(たいじゅ)粛々(しゅくしゅく)として晩風(ばんふう)(しょう)ず】                    襄

註;① 狂犬

  ② 生の麻

  ③ 八代将軍の足利義政

 

仏前(ぶつぜん)(こう)シャ(しゃ④)(火也)(いちへい)(はな)()(これ)(しょう)(ぐん)(ろう)(とう④)ずる(いえ)と。(まん)(かく)泥銀蟲(でいぎんむしなめ)(つく)し。(そら)(さん)(げつ)(あま)して庭沙(ていさ⑤)()らす】                杏翁

 註④ 残り火

  ⑤白川の白砂を波形に盛り上げた銀沙灘(ぎんしゃだん)と円錐型の(こうか)(げつ)(だい)

 

右二首銀閣(みぎにしゅぎんかく)同遊(どうゆう)して  閣前沙(かくぜんしゃ)(あつ)(だん)()(よび)(いわ)(げい)(げつ)(だい)

 

竹樹陰々(ちくじゅいんいん)として緑墻(りょくかき)(おお)詩僊(しせん)(どう)は古くて斜陽(しゃよう)(とざ)す】   襄

 

先生(せんせい)書画(しょが)(いま)(なお)在り(あり)留め得たり(とどめえたり)風流千(ふうりゅうせん)()(かおり)】    阿千拝(あせんはい⑥)

 

右詩仙堂(みぎしせんどう)聯句(れんく)(つい)録す(ろくす)             阿千時年十三

 

高雄山の新樹を見て正輔がよみける 別に短尺あり

 

もみじばのこがるる秋の血潮より 涼しきいつか夏にこそあれ

 

同じ意を

 

おもひやる秋のもみじのそれよりも こころ高雄の青かえでかな  惟柔

 

高雄山の新緑を見にまかりて

 

錦為す袖こそあらめ高雄山 吾がかえるてにひかれ来にけり    梅颸

 

廣澤のほとりにやすらいて

 

さざ波のうえも曇らで大空の 雲影うかぶ廣澤の池

 

賀茂の駒くらべをみてよめる おのれ安芸の国賀茂郡の人なり  ただなご

 

むかしは神領にて馬をも 出せしと言い伝えければ

 

こまをさえ貢ぎし国の民なれば さらにも今日にあうぞ嬉しき

 

このうたは季鷹が求めに因りて書きて贈る

 

(しゅく)(つね)(ぼう)(あまん)(てつ)(かん)()ず。(あい)(むか)えて(けい)()()(がん)()くに(じゅう)(じゅん)(あし)濡す(うるお)(おう)()(うみ)廿(にじゅう)歳頭(さいこうべ)(うず)案牘(あんとく⑦)の山、(しょう)(たず)ぬる(まさ)謀る(はか)べし晴雨(せいう)の外。(じょう)()する(とき)酔醒(すいせい)(かん)(こう)(のこ)って又及ぶ(こう)催す(もよおす)(せつ)西顧(せいこ)(きみ)(うれ)(にわか)かに帰らん(かえ)(ほっ)するを】慈政

 

                          襄再拝請

 

註⑥ 三千三、号達堂 阿は人を呼ぶ語に冠して親しみを表す

  梅颸日記の京遊記では達堂の事をまず気にかけている様子

⑦公文書をいう

 

   見延典子
   見延典子

 

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